天使が舞い降りても

『戦争を演じた神々たち』所収「天使が舞い降りても」はその寓話的雰囲気が好きだ。いや、この連作短編集に収録されている作品は全部、寓話的、神話的、詩的にして荘厳なのだけれど。

戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)

戦争を演じた神々たち(全) (ハヤカワ文庫JA)

不調に襲われるとたまにこの作品のフレーズがぐるぐると頭の中を回り出す。

  • 「"喪失"だな。おまえの物語のメインテーマは"失うこと"だ。人生の最初から」
  • 「連中はなにごとかを成しているぞ。どのような意志かどのような目的か知らんが、ともかく莫大なエネルギーだ」
  • 「彼らの行った破壊のエネルギーが、わしにいったいどれほどの力を与えていったか、想像がつくかね?」

あ、気がついたら、これ全部AUM老人の台詞だね。聖音AUM。サンスクリット語かな。どっかの今は改名した新興宗教団体が名前にも使ってたね。

世界の創造と維持と破壊の作用。ヴェーダの三柱の神々。中国語への音訳転写で仏典では阿吽(あうん)だったか。

死ねばいいのに。