オブジェクト倶楽部2005X'mas

会社を休ませてもらって オブジェクト倶楽部2005クリスマスイベント に行って来た。主にまつもとさんを見に。

  • オープニング

私は初めて触れる、 ワールドカフェ という手法。数人ごとにテーブルを囲んで集まって、極短時間であるテーマについてとにかく思い付いた事を何でも発言する。そして、テーブルクロス(今日は模造紙で代用)に話のキーをどんどん書き込んで行く。書くのは文字でも絵でも、マインドマップでも何でもいい。とにかく全員が最初に一度は発言する。そして話を膨らませる。これが1セッションとなる。

これを何セッションも繰り返す。ただし、セッション毎に皆テーブルを移動して、メンバーを変える。ただし、各テーブルで一人だけは「ホスト」としてテーブルに残り、前セッションの概要を新メンバーに伝えて場の継続性を保つ。

メモ手法はマインドマップが向いてるように思った。あと必要なら絵ね。散文はこの手法を殺す気がする。メンバーのシャッフルで生まれる乱雑さが、新しい発想を生み出す。

1セッション5分でやったけれども、これだと話が盛り上がったところでタイムアウトする。会場内でもこの点は不満が多かった。本来のワールドカフェを良く知らないけど、こういうもの? 人の思考の片鱗に触れて脳を刺激され、しかもそれが時間が短いゆえに収束はしないという効果はあったかもしれないけれども。思考を発散・拡大・増幅する機能ね。でも、例えば最初のセッションは5分、次は8分、11分、14分とかそれぐらいにすればその増幅効果は殺さずに思考をまとめてもっと具体的な何かを生み出せるのではないかとも思う。

とりあえず、セッションに用いたテーマは、

  • 今日来た理由は? 本音のところを。
  • これまでのプロジェクトの失敗の理由は?
  • いままでプロジェクトで大変だったのはどういうとき?
  • 基調講演

富士通総研 前川徹さんの講演。ソフトウェアの生産性の話とか。データをうまく引いて、話上手。話の内容は常々の持論と言う感じ。前にhotwiredに書いてた「ソフトウェア工場」って間違った比喩によるミスリードでしょ、という話も。生産は単なるCDプレスで、ソフトウェア技術者がやってるのは企画・開発・設計だもん、IT産業は製造業じゃないって分かってる? とか

Microsoftの萩原さんがいうソフトウェア・ファクトリーとの関係が良く分からない。私の素朴な考えでは、前川さんの言う通り、聞いたまんまの文字通りの「ソフトウェア・ファクトリー」には無理がある。とはいえ萩原さんの話は難しすぎて経験浅い人間には理解し切れない部分もあるから、理解できずに批判するのはよろしくない。「その辺どうなの? 誰か教えて」というところ。

ソフトウェア開発は天然資源無しでもできるから日本向きなのに、日本のソフト産業は国際競争力ないじゃない。見てよこのデータ。とも言っていた。

永和システムマネジメント 平鍋健児さん、懸田剛さんによる同社のモデリングツール JUDE のデモライブ。

UMLは顧客にも分かりやすいとは言うけどMDAの流れで違う方向へ行きがちだし、文法がかっちりしすぎて、顧客からヒアリングしながら柔軟に対応できない。これが悩みどころ。

それが、マインドマップならほら、とJUDEマインドマップ機能でやって見せた。そして、マインドマップは顧客にも用意に理解できるし、話して、それが図にフィードバックされて行くのは「確かに聞いてもらってる」感があり、満足度も高くなる。

マインドマップは思考を空間に展開するので、後で思い起こす「想起力」に優れる。図を見れば人間の空間記憶能力によって、話した内容を雰囲気まで思い起こせる。「前回の図の右上の方のアレ」とかそういうコミュニケーションもできる。これは実は大きい。

そして、JUDEの機能で、マインドマップで抜きだした要件をもとにユースケース図、クラスずを書いて見せたり。そのほか、JUDEの魅力満載。商売上手。

初めて見る生Matz.

Rubyはその動的型方式、メタプログラミング、簡潔で人間の思考により近い表記法、等によって俊敏な開発、変化の受容に向いてるんでないかと。「XPとか スクラムとか、『アジャイルプロセス』との相性はどうかしらないし、そっち方面は詳しくないけど、アジャイル宣言に署名した面々の多くはRubyistだったり、Rubyを肯定的に評価してるしね」と。

  • 全員参加型ワークショップ
  • ライトニングトーク

後で書く。

  • 懇親会

初めて、同年代でBinary 2.0まで話が通じる人に会えたよ〜。生まれて初めての感激。Rails勉強会でも是非お会いしましょう。