世界線航跡蔵

Mad web programmerのYuguiが技術ネタや日々のあれこれをお送りします。

2005年06月07日

海を見る人

海を見る人 (ハヤカワ文庫 JA)

著者
小林 泰三
表題
海を見る人 (ハヤカワ文庫 JA)
出版者
早川書房
ASIN
4150307970
価格
遠野物語はお好きでしょうか。
相対論を愛していますか。
ギリシャ神話無しで生きられますか。
量子力学を感じていますか。
ミルトンは、ホメロスはいかがでしょう。
超対称性は、M理論は。

ならば、お奨めです。

「神話的」ということ。簡潔さの中の力強さ。日常からの逸脱。荘厳。残酷。神秘。歴史。
多すぎない、少なすぎない。
パルテノン神殿と黄金比と円周率。天空の階律が奏でられる。そういうもの。

神話的SFの中で私が今までに気に入っていたのは『戦争を演じた神々たち』だった。
澄み渡って重厚な大原まり子の文体。語られる戦争、誕生、存在と時間と、死。死。死。

今、私の中で、『海を見る人』はそれと並んだ。

表題作を読んで思った。愛していたけれど、でも相対論がこんなに切ないなんて。
小林泰三の緻密で奔放な想像力と、語られる物理と寓話と純愛。
私は初めて、光速度不変を心で感じた気がする。

光円錐の内と外とに満ち溢れるいとおしさよ。

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